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日本の眼科医療における近視矯正手術:選択肢と安全への取り組み

6 時間前
読了時間: 5分

1.導入

近年、スマートフォンの普及やデジタルワークの増加に伴い、世界中で近視人口が増加しています。

屈折異常による視力低下は日常生活の利便性や生産性に直結するため、根本的な解決策として屈折矯正手術を検討する方が増えています。日本国内の眼科医療機関では、先進的な検査・手術機器の導入と、学会が定める厳格なガイドラインに沿った治療が行われており、これが海外の患者様からも注目される理由となっています。

大切な眼の手術だからこそ、客観的なデータと丁寧な事前検査プロセスを重視する日本の医療体制は、確かな選択肢を提供します。


2. 日本発の世界標準技術:Hole ICL(ホール眼内コンタクトレンズ)

ICL手術の安全性を飛躍的に高めた革新的なレンズ技術は、日本で開発されました。

現在、世界中で主流となっている中心に微小な穴が開いた「Hole ICL(通称:EVO ICL)」は、日本の北里大学の清水公也教授らの研究チームによって開発され、世界に広がった日本発のテクノロジーです。(1)日本の眼科医らが発表した5年間の長期比較研究(Medicine, 2016)によると、レンズ中央に「KS-AquaPORT」と呼ばれるわずか0.36mmの穴をあけて眼内の房水(液体)の循環を劇的に改善した結果、従来のICLで課題だった「術後の水晶体混濁(白内障のリスク)」の発生率が5年間の追跡調査において0%であったことが実証されています。(2)これにより、従来必要だった虹彩(目の茶色い部分)を切開する事前処置が不要になり、患者様の身体的負担を軽減しながら、緑内障や白内障といった合併症のリスクを抑えることに成功しました。5年間にわたる日本発の臨床データが、眼内コンタクトレンズ手術における世界最高水準の安全性を証明しています。

2. 日本発の世界標準技術:Hole ICL(ホール眼内コンタクトレンズ)

3. 国内ガイドラインに基づく安全管理:レーシック(LASIK)

レーシックは、世界中で最も普及している実績のある近視矯正手術の一つです。

日本の主要な眼科クリニックでは、ミリ秒単位で眼球の動きを追尾するエキシマレーザーが導入されており、一人ひとりの角膜の形状に合わせたカスタム照射が一般的となっています。また、日本眼科学会が策定した「屈折矯正手術ガイドライン」(3) に基づき、厳格な適応審査と感染症対策が徹底されています。

事前の精密検査によって不適応な症例(円錐角膜など)をシビアに除外するため、術後の長期的な視力の安定性が高く維持されています。


4. データが実証する低侵襲手術の進化:SMILE(スマイル)

角膜の負担を最小限に抑える新しいレーザー技術により、極めて高い予測精度と安全性が実証されています。

SMILEは、フェムトセカンドレーザーを用いて角膜の内部から極薄の組織(レンチクル)を抜き取る新しい術式です。従来のレーシックに比べて角膜表面の切開幅が「約2mm〜3mm」と非常に小さいため、角膜の知覚神経への影響を抑え、術後のドライアイの発症リスクを低減できる点が大きなメリットです。また、角膜の強度が保たれやすいため、スポーツを行う方や、アクティブなライフスタイルを持つ方に適しています。傷口が小さいため表面の治癒が早く、多くのケースで手術の翌日から通常の生活や仕事への復帰が可能となっています。


世界的な学術誌Scientific Reportsに掲載された近視矯正手術(ReLEx SMILE)の1年間におよぶ追跡臨床研究によると、術後1年が経過した時点において、94.3%の眼が「目標とする屈折値の±0.50 D(ディオプター)以内」という正確な誤差範囲に収まっていることが実証されました。さらに、この研究では手術が原因で最高矯正視力が低下するような深刻な安全性の損失(合併症)を起こした症例は1例も認められず、術後の経過は安定的であると報告されています。(4)


日本国内では、数多くの主要な眼科クリニックや大学病院がこの最先端システムを2010年ごろから導入し、数千例から数万例規模の症例数を積み重ねてきたことで、術者の習熟度は高いレベルに達しています。また、手術を行うクリーンルームの気流・温度・湿度管理に至るまで、日本ならではの緻密な管理体制が徹底されているため、機器のパフォーマンスが最大限に発揮される環境が整っています。

客観的な論文データに裏付けられた高い予測精度と低リスクな構造が、術後のクリアで安定した視界を支え、豊富な治療実績により、海外からの患者様が安心して治療を受けられるようになっています。

4. データが実証する低侵襲手術の進化:SMILE(スマイル)

5.結論

屈折矯正手術の成功において最も重要なのは、患者様自身の眼の状態に適した術式を選ぶことです。

日本で提供されている近視矯正手術は、科学的根拠(エビデンス)に基づいた治療方針、最新水準の医療機器、そして徹底したリスク管理の上に成り立っています。ご自身の生活環境や眼の特性に合わせた最適な医療を受けるために、日本の専門医による精密な評価は非常に有意義な選択肢となります。

安全性を最優先にした医療体制が、確かな視界の回復をサポートします。


参考文献

  1. Shimizu K, Kamiya K, Igarashi A, et al. Early clinical outcomes of implantation of posterior chamber phakic intraocular lens with a central hole (Hole ICL) for moderate to high myopia. Br J Ophthalmol. 2012;96:409–412.

  2. Shimizu K, Kamiya K, Igarashi A, Kobashi H. Long-Term Comparison of Posterior Chamber Phakic Intraocular Lens With and Without a Central Hole (Hole ICL and Conventional ICL) Implantation for Moderate to High Myopia and Myopic Astigmatism,Medicine,2016,95(14):e3260.

  3. The Japanese Ophthalmological Society https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/refractivesurgery_8.pdf (accessed July 2026)

  4. Nicula CA, Nicula D, Bolboacă SD, et al. One year outcomes after small incision lenticule extraction ReLEX SMILE in a group of Romanian patients. Sci Rep,2019,9(1):4752.


監修者

酒井大輝(医師, 医学博士)

日本眼科学会認定眼科専門医

創設者, Ophthoagent Team

 
 
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